|
映像をご覧になれないかたはこちらから
こんなに大勢の人たちと、まったく初対面の方達と、日夜ずっと一緒に行動した一ヶ月。まったくディープで濃密な初体験をありがとうございました。
真剣顔でテキパキ動くスタッフさんたちの中で、心の中ではいつも「スミマセン。ジャマはしませんから」って私はコソコソとつぶやきながらどうにか過ごした一ヶ月。
それが終盤に近づくにつれ居眠りする度胸や、ロケバスや機材車のドライバーさんと語り合ったり、彼らのご好意で炊き出ししてくれた暖かい煮込みうどんを御代わりしたりと場慣れしてきたような。
でも矢崎監督から一瞥を投げかけられるとビビって、腰が引けてしまうのは相変わらずでしたけど……。 初対面とはいっても、私の方は出演者の皆さんに映画やテレビの中で一方的に出会っているわけで、だから余計に緊張してしまっていました。そんな私に、メイキング撮影なんて「無謀」な作戦を持ちかけたプロデューサーの真意はいかに? 「シロウトらしいクロウト」「プロっぽいアマ」みたいな。そんな空気をねらっていたんでしょうか?(「ヘタウマ」っていうには文章も映像も下手すぎなんですけどね。)そして「キャスト・インタビュー」なんてアクロバットな芸当をやらせようとするなんて。沈黙続くし雑音入るし。もー本当に最悪。 でも私が聞かなくても池脇さんはポイントポイントをついて的確な答えを伝えてくれるし、インタビュー慣れしていない塔子さんもなるべく長く喋ってくれようと努力してくれたし、加瀬さんも「僕の答えズレてますよね?」って笑ってくれるし、 他の役者さんにも撮影の合間の忙しい時間を作ってもらったり、マネージャーさんにも色々協力していただきました。
そうやって役者さんにはご協力いただきまくりで、スタッフさんには迷惑かけまくりで、ほんとうにカメラ持つ手が震えて、手ぶれ映像ばかり残っていてスミマセン状態です。現在はクローズしているギャラリーカフェにつくられたヘブンスゲイトのセットの中。
クランクアップに予定されていた4月3日はいつのまにか4月4日へと日付を変えていたけれど、ガンガンに焚かれた照明の白っぽい光が時間の感覚を奪い去ってしまっていて、朝なのか?夜なのか?昼なのか? 眠くて台本を目で追うことも出来ないから「あとどのくらいのカットが残っているんだろう」とボンヤリ思っていた。そのとき助監督さんの声が響く。「では次のカットで終了です」
ビルの下をひっきりなしに走っていた車の音もいつのまにか消えていたし、みんなの息の音も聞こえない。ただ聴こえるのはここ数日何回も聞いていた普段どおりの里子の電話応対の声。
「お電話ありがとうございます、ヘブンスゲイトで・・・」
そしてカチンコ。
矢崎監督からの小さな目配せ。それを読み取った助監督の声が部屋に響く。
「はいオッケーです」 そして終わりました。
出演者、スタッフの一人一人と硬く両手で握手をして回る矢崎監督。それを遠巻きにしてボンヤリ見ている私。そして監督と目が合い、なぜか「ヤバイ」と恐る恐る逃げ腰で握手する私(笑)。
その日の朝、制作スタッフが用意してくれていた朝食用の最後のロケ弁はシャケと昆布のおいしいおむすび(結局テイクアウトになってしまったケド)。
お弁当と撮り終わったテープを大事にしまって、みんなから分けてもらった達成感もお土産にして、
小雨降る朝に小走りで帰途について、私の矢崎組での一ヶ月は終わったのでした。
|