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「HEAVENS GATE」グロテスクな絵が飾られた薄いドアにはそう書かれてありました。
天国の門とは、たくさんの荷物を持ったラクダには通れないほど狭き門(裕福な金持ちには通れないの比喩?)であるのだ、と学生時代に読まされた聖書の中でジーザスが言っていた気がします。で、こちらのドアはどんな感じなんでしょう?
ディープでアンダーグラウンドな天国を想像しながら薄っぺらいドアを開けるとシンプルで明るい素材のインテリアにディスプレイされたキッチュな小物とピンヒールのパンプスと足の長い女の子たち。無造作に窓に貼り付けられたモチーフは十字架みたいで、チープなステンドグラスみたいに窓を彩っている。
ここは「声(だけが)自慢」な里子が電話番を勤めるデリヘルオフィス。もうもうとしたタバコの煙の中、里子役の池脇千鶴さんが電話応対をする声が響く。「あ、鈴が転がるってこんな声かな」と頭のなかで鈴を転がす猫を想像しながらセットの隅でウトウトしてまし...。えぇ、ほんとうにクランクアップを秒読み段階に控えたこの時期は毎日が睡魔との戦いで、すぐ隣で本番のカメラが回っているのにも関わらずカチンコの音で「ビクッ」と意識をとり戻すこと多々。
で、話は戻しましてヘブンスゲイトのギャルの中にひとりスーツ姿の秋代さん役の中村優子さん。実際にその職業の方の取材をしてきた監督さん曰く、「普通にスーツ姿でデリバリーされる女性が多い」とのこと。へー、なるほど。まあとにかくここで、里子と秋代が出会う。自分の背負い込んだ家族だとか仕事だとかを重く考えず、あっけらかんと生きてきた里子。一方、ほしいものはただソレダケ!って一途にひとりのオトコを追いかける秋代。そんな両極端なタイプのふたりがこーゆー風に出逢って、こんな感じでバディになる?ってのはホント驚きなんですが……。しかしながら秋代のまっすぐで不器用な生き方と里子の明るくて素直な性格って共鳴して当たり前かもしれない。池脇さんも中村さんも、おふたりとも四人の女の子それぞれの気持ちがとてもよく分かると言う。
「全員の気持ちがすっごく分かるけど、なかでも自分が演じた「里子」の生き方に一番憧れている」と池脇さん。「全員に共感する。でも本当は誰に近いんでしょうね?それは周りの人によって毎回変わるかもしれない」と笑う中村さん。
ここで(塔子とちひろとはまた違う)お互いの過去もバックグラウンドも生き方も知らないふたりが出会って、ハードボイルドな友情関係がはじまるんです。それは脚本の狗飼さんのちょっとした悪戯で、クルクルと混じり合って回っていく東京の女の子たち。そして「四人全員がいとおしくてギュッと抱きしめたくなった」という矢崎監督の優しいまなざしにつつまれたお話になりました。
ところで、私。気付けばプライベートな時間を一緒に過ごせる友達って職場にはイナイ。せいぜい給湯室で上司のグチをいうくらいでしょうか?(そーいやちひろの会社もそんな感じだったな)氷の溶けたカルピスのごとく希薄な関係しか私の居場所にはありません。でもいつも無表情の同僚に、明るく声でも掛けてみればちょっとした友情に発展するかもしれませんね、たぶん絶対ヤラナイだろうけど(笑)。
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