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道路端の雪が解けかけた3月初旬、早朝「オハヨウゴザイマス」挨拶する声が裏返る。
名前と顔が覚えられない病。(たぶん同じ人に何回も挨拶してたかも…)
都内某オフィスビルのワンフロアにて機材が組み立てられる。
素人の私には名前さえ分からない機材が並ぶ。
カメラが移動撮影するためのレール。
ライトの前に張られるセロファン。
細長いマイク。小さなモニターを覗く人たち。
10秒ほどのシーンでも、あらゆるカットで撮る。そのたびにレイアウト変更。
皆が声を出し合って作業を行う。大工さんの棟上げのようだ。
まず感じたことは、「女性スタッフ」が多い!ということ(他の現場をよく知らないので比べようはないんだけど)。
衣装さん、メイクさん以外にも撮影、照明、録音、美術、製作と各部署に女性スタッフが活躍する。
彼女たちは一様にテキパキと動き、カメラが回り始めるとスッと気配を消す術を備えている。
そんな中、わたし一人が無用にドタバタしていた。
被写体になるのを嫌うシャイな監督に見つからないように、
出演者さんやスタッフさんの気が散らないように、
ハンディーのビデオカメラを上げたり下ろしたり、
ONしたりOFFしたり。
そんな遠慮がちな映像は単なる素人の手ぶれ映像としてたっぷり残っている。
何を撮っていいのか、何が必要ないのか?
以前DMWでゲストトークにみえたドキュメンタリー監督の森達也さんがおっしゃっていた言葉を今さら思い出す。「何が難しいって、カメラを切るタイミングが難しい」と。
Offした瞬間になにかが起きるかもヨ?っていう恐怖。
とりあえず「スタート!」の声がかかる前、「カット!」の声が聴こえた後、わたしはカメラを回せばいいと思うのだが?どう?(この自問自答は一ヵ月後も一年後もつづく)
この日覚えた言葉は「移動メシ!」=ロケバスで移動しながらお弁当を食べるという行為。
「新明解」にも「イミダス」にも載ってないはず。
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